クォーラム サーバの場所を決めて作成する
正しく計画されている SplitSite 構成では、3 台目のコンピュータがクォーラム サービスをホストします。クォーラム サービスの処理要件は厳しくないので、ネットワークと運用の要件をすべて満たす既存のコンピュータまたは VM であれば、クォーラム サービスをホストすることができます。クォーラム サーバの効果は、ネットワーク内のどこにクォーラム コンピュータを配置するかによって決まります。
クォーラム コンピュータ (および該当する場合は代替クォーラム コンピュータ) の効果的な場所を決定し、そのコンピュータがクォーラム サービスの要件を満たすことを確認したら、クォーラム コンピュータを作成できます。
クォーラム コンピュータの場所を決める
「クォーラム サーバのある SplitSite 構成」に示されるように、1 台目のクォーラム コンピュータをネットワーク内の第 3 サイトに配置します。第 3 サイトが利用できない場合、node0 と node1 の両方から物理的に離れた場所にクォーラム コンピュータを配置してください。クォーラム コンピュータを専用のサイトに配置すると、両方のノードとクォーラム コンピュータが失われるような問題が発生してもシステムの生存確率を最大限にすることができます (たとえば、一時的な電力、配管、その他の問題によりネットワーク接続が失われる場合があります)。
クォーラム コンピュータは、node0 と node1 に電力を供給する回路とは異なる電気回路につないでください。また、クォーラム コンピュータは UPS ユニットに接続する必要があります。
片方のノードがシャットダウンし、残ったノード上の VM (AX) がクォーラム サーバまたはそのピアにアクセスできない場合には、その VM はスプリット ブレーン状態を回避するために自らシャットダウンします。
クォーラム コンピュータの場所を決める際、次のことに注意してください。
- クォーラム コンピュータは、node0 と node1 のどちらともスイッチ (またはルータ) を共有しないようにしてください。
- クォーラム サービスの実行には everRun システム内のゲスト VM を使用しないでください。
システム動作と障害モードの説明については、「クォーラムがシステム動作に与える影響を理解する」を参照してください。
代替クォーラム コンピュータを追加する
もう 1 台のクォーラム コンピュータ (とそのスイッチ) をシステムに追加して、代替クォーラム サービスを作成することができます。代替クォーラム サーバを使用する最も一般的なケースは、たとえば優先クォーラム コンピュータにオペレーティング システムの更新を適用する場合などです。優先クォーラム コンピュータが再起動されるとき、代替クォーラム コンピュータが選択されて、ダウングレードの発生を防ぎます。優先クォーラムが復旧すると、元の優先クォーラム コンピュータが再び選択されます。
2 つ目のクォーラム サービスを作成する際は、ネットワークとクォーラム配置のすべての要件に従わなければいけません。両方のノードが互いに通信でき、またこれらが同じクォーラム サーバ (優先または代替のクォーラム サーバ) と通信できる場合、1 台のクォーラム接続が失われても、システムは VM の冗長性を維持できます。優先クォーラム サーバの選択は、両方のノードが相互に通信でき優先クォーラム サーバとも通信できる状況において発生します。したがって、ノードの損失と同時にクォーラム サービスが失われた場合には、2 つ目の非優先クォーラム サービスが利用可能であっても、残っているノードが VM をシャットダウンします。 ただし、ノードを失う "前に" 優先クォーラム サービスが失われ、両方のノードが引き続き代替クォーラム サーバにアクセスできる場合には、選択対象が代替クォーラム サーバに移ります。障害処理は選択されたクォーラム サーバのコンテキスト内のみで行われます。
代替クォーラム サービスを作成する場合、everRun 可用性コンソールでクォーラム サービスを追加するときに 2 つ目のクォーラム IP アドレスを追加する必要があります。
クォーラム コンピュータの要件
クォーラム サービス ソフトウェアは、Windows オペレーティング システムを実行していて以下の要件を満たす、すべての汎用コンピュータ、ラップトップまたは VM 上にインストールできます。
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everRun システムの ibiz0 ネットワークが常にクォーラム サーバにアクセスできるよう、コンピュータは電源が常にオンでネットワークに接続された状態を維持できること。
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コンピュータに静的な IPv4 ネットワーク アドレスが割り当てられていること。DHCP は使用しないでください。
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オペレーティング システムが Windows Server 2016、Windows Server 2012、Windows Server 2008、Windows 7、Windows 10 のいずれかであること。Windows OS の埋め込みバージョンはサポートされません。
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最小 100 MB のディスク領域が利用可能であること。
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2 つの UDP ポートが開いていてノードとクォーラム サービス間の通信に利用可能でなければなりません。これにはファイアウォール内の通信も含みます。デフォルトでは、これらのポートは 4557 と 4558 です。これらのポートを変更するには、「クォーラム サービス ポートを構成する」 (クォーラム コンピュータ上) および「everRun 可用性コンソール内でクォーラム サーバを構成する 」を参照してください。
クォーラム サービス ソフトウェアをダウンロードしてインストールする
クォーラム コンピュータの適切な場所を決定したら、クォーラム サーバの作成に必要なソフトウェアをダウンロードしインストールします。
クォーラム サーバ ソフトウェアをダウンロードしてインストールするには
- [Downloads (ダウンロード)] ページ (https://www.stratus.com/services-support/downloads/?tab=everrun) を開きます。
- [Drivers and Tools (ドライバとツール)] セクションにスクロールして、[Quorum Service (クォーラム サービス)] をクリックし、クォーラム サーバ ソフトウェアのインストーラ ファイルをクォーラム サーバにダウンロードします。
- クォーラム サーバでインストーラ ファイルをダブルクリックします。
- ダウンロードしたファイルをアクセス可能な場所に移動します。
- クォーラム コンピュータにログインします。
- クォーラム サービス インストーラに移動し、これをダブルクリックします。
- 表示される指示に従いインストールを完了します。