仮想マシンを 512e ストレージにマイグレーションする
everRun リリース 7.8.0.0 以降では、ボリュームを 512e ディスク タイプとしてゲスト オペレーティング システムに提供することができます。everRun システムの両方の物理マシン (PM) に 512e ディスク ドライブがあり、512e ドライブのパフォーマンスによって仮想マシン (VM) で実行中のアプリケーションがメリットを得られる場合、システムを再構成して 512e ドライブを利用できるようにすることが可能です。
everRun リリース 7.8.0.0 以降にアップグレードする場合、既存のストレージ グループは 512e をサポートするように自動では再構成されず、インプレースの再構成も不可能です。ただし、次のように新しいまたは未使用の 512e ドライブを新しい 512e ストレージ グループに割り当てて、VM 用に 512e ストレージのプールを提供できる可能性はあります。
- システムに空のディスク スロットがある場合、追加の 512e ディスク ドライブを挿入し、512e ディスク タイプのストレージ グループをデータ用に作成して、ストレージを割り当てます。手順については、このトピックの「互換のシステムを 512e ストレージにマイグレーションするには」を参照してください。
- システムに 512e ドライブを追加できる空のディスク スロットがない場合、512e 互換性スクリプトを実行して、新しい 512e ストレージ グループに割り当て可能な未使用の 512e ディスク ドライブがシステムにあるか、あるいは everRun システムを再ビルドして 512e ディスク ドライブを解放する必要があるかを判定することができます。512e 互換性スクリプトを実行する手順については、このトピックの「512e ストレージへのマイグレーションのためのシステム互換性を判定するには」を参照してください。
新しい 512e ディスク ドライブを追加することができず、システムに未使用の 512e ドライブがない場合 (たとえば 512e ドライブが現在 512n ストレージ グループによって使用されている場合)、everRun システムを再ビルドして 512e ドライブを解放できる可能性はあります。ただし、再ビルドの手順には時間がかかり、長時間のダウンタイムが発生します。該当する場合は KB-10187 を参照してください。

everRun システムをリリース 7.8.0.0 以降にアップグレードした後、互換性スクリプトを実行し、システムに未使用の 512e ドライブか、あるいはシステムの再ビルドによって再構築できるドライブがあるかどうかを判定することができます。
- スクリプトを実行する前に、両方の PM で新しいドライブや認識不可のドライブをすべてアクティベートします。手順については、「新しい論理ディスクをアクティベートする」を参照してください。
- everRun システムにある各 PM のホスト オペレーティング システムに root ユーザとしてログオンします。(詳細については、「ホスト オペレーティング システムにアクセスする」を参照してください。)
-
各 PM のホスト オペレーティング システムで互換性スクリプトを実行します。
# /opt/ft/sbin/find_available_512e_drives - 出力を調べて比較します。
たとえば、未使用の 512e ドライブを用いたマイグレーションが現在可能な場合、次のような出力が得られます。
512e drives in this system:
/dev/sdb ('Logical Disk - 1')
512e drives that can be moved to a 512e storage group now:
/dev/sdb ('Logical Disk - 1')
システムの再ビルドによるマイグレーションのみが可能な場合には、次のような出力が得られます。
512e drives in this system:
/dev/sdb ('Logical Disk - 1')
No 512e drives can be moved to a 512e storage group now
512e drives that can be moved to a 512e storage group with a system rebuild:
/dev/sdb ('Logical Disk - 1')
両方の PM からの出力を比較して、次に行う手順を判断します。
- 両方の PM に未使用の 512e ディスク ドライブがあり、システムの再ビルドを行わなくてもこれを使用できる場合、新しい 512e ストレージ グループを作成し、このストレージ グループにそれらのドライブを割り当て、VM をストレージ グループにコピーするか移動します。手順については、このトピックの「512e ストレージへのマイグレーションのためのシステム互換性を判定するには」を参照してください。
- 512e ディスク ドライブを利用可能にするために everRun システムの再ビルドが必要となる場合は、KB-10187 を参照してください。

お使いの everRun システムに新しいまたは未使用の 512e ディスク ドライブが含まれていて、システムの再ビルドを行わずにこれらのドライブをすぐに 512e ストレージ グループに移動できることが互換性スクリプトで確認された場合、次の手順を使って VM を 512e ストレージにマイグレーションします。
- VM をバックアップします。
- Windows ベースのゲスト オペレーティング システムの場合のみ、まだ行っていない場合は VirtIO ドライバをダウンロードして更新します。手順については、「VirtIO ドライバを更新する (Windows ベースの VM)」を参照してください。少なくとも 512e ボリュームをサポートするためにストレージ ドライバを更新する必要があります。
- 新しい空の 512e ディスク タイプのストレージ グループを作成します。手順については、「新しいストレージ グループを作成する」を参照してください。
- 作成したストレージ グループに新しい論理ディスク (物理ディスク ドライブのペア) を割り当てます。手順については、「ストレージ グループに論理ディスクを割り当てる」を参照してください。
- 新しい 512e ストレージ グループに新しい VM を作成します。手順については、「新しい仮想マシンを作成する」を参照してください。あるいは、次のいずれかの方法で現在のストレージ グループから既存の VM を移動します。
- 「仮想マシンをコピーする」を参照し、既存の VM を新しい 512e ストレージ グループにコピーします。(お使いのシステムに VM をコピーするのに十分なディスク容量がない場合、次のオプションを試してください。)
- 「仮想マシンをエクスポートする」を参照して既存の VM をエクスポートした後、「OVF または OVA ファイルをインポートする」を参照して新しい 512e ストレージ グループにこれらをインポートします。