everRun MX システムから OVF ファイルをインポートする
展開の準備として everRun 7.x システムに VM を転送するには、everRun MX システムから Open Virtualization Format (OVF) ファイルをインポートします。(OVF ファイルを使用せずに物理マシン (PM) または仮想マシン (VM) を everRun 7.x システムにマイグレーションするには、「物理マシンまたは仮想マシンをシステムにマイグレーションする」を参照してください。)
VM を everRun MX システムからインポートするには、まず XenConvert 2.1 を使用して OVF および仮想ハード ディスク (VHD) ファイルを everRun MX システムからネットワーク共有にエクスポートし、次に everRun 可用性コンソールを使用してそのネットワーク共有から everRun 7.x システムに OVF および VHD ファイルをインポートします。
- everRun MX システムからインポートできるのは、Windows Server 2008 を実行する VM のみです。OVF ファイルからの Windows Server 2003 VM のインポート処理はサポートされていません。Windows Server 2003 VM を everRun 7.x システムに転送する必要がある場合、「Windows Server 2003 VM を everRun 7.x システムにマイグレーションする」を参照してください。
- Windows ベースの VM の場合、このトピックの説明に従って、everRun MX システムから VM をエクスポートする前に、ゲスト オペレーティング システムに VirtIO ドライバをインストールする必要があります。VirtIO ドライバをインストールしないと、インポートした VM が everRun 7.x システムでのブート中にクラッシュします。
- everRun MX システム上のソース VM と、everRun 可用性コンソールを実行する管理 PC の両方からアクセスできるネットワーク共有をマッピングする必要があります。XenConvert を使用してこの共有に VM をエクスポートした後、その共有から everRun 7.x システムに VM をインポートします。
- OVF ファイルを everRun MX システムからエクスポートするために準備をする際、everRun Availability Center で VM の保護を解除する必要があります。この操作によって VM が自動的にシャットダウンされます。このプロセスのために計画的なメンテナンス期間を設定することを検討してください。
- エクスポートとインポートにかかる時間はソース VM にあるボリュームのサイズと数、およびネットワークの帯域幅によって異なります。たとえば、20 GB のブート ボリュームが 1 つある VM を 1 Gb ネットワークで転送する場合、エクスポートとインポートに約 30 分ずつかかります。
- everRun 7.x システム上に VM をインポートする際、インポート ウィザードによってその VM の新しいインスタンスが作成され、固有のハードウェア ID が設定されます。インポート ウィザードには、同じハードウェア ID (SMBIOS UUID、システム シリアル番号、および MAC アドレス) を持つ同一の VM が作成されるリストア (復元) オプションがありません。これは、everRun MX システムからのエクスポート ファイルにこの情報が含まれていないためです。
- インポートした後にソース VM を everRun MX システムで引き続き使用する場合、everRun 7.x システムの VM に異なる IP アドレスとホスト名を設定することを忘れないでください。
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インポートの処理中に everRun 7.x システムがプライマリ PM からセカンダリ PM に切り替わった場合、そのインポート プロセスは失敗します。これはシステムの継続運用には影響しませんが、everRun 7.x システムで不完全な VM とその関連ボリュームを削除してから、もう一度インポートを実行する必要があります。
everRun MX システムから VM をエクスポートすると、OVF ファイルに含まれる VM の構成と、管理 PC 上の選択したボリュームのコピーがエクスポートされます。
everRun MX システムからの VM のエクスポートを準備するには
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everRun MX マスター ノードのホスト名または IP アドレスで everRun Availability Center にログオンします:
http://everRunMX-system:8080 - 左側のナビゲーション パネルで [Virtual Machines (仮想マシン)] をクリックします。
- エクスポートする VM を右クリックして、[Unprotect (保護の解除)] をクリックします。
- VM の保護が解除されて自動的にシャットダウンしたら、Citrix XenCenter を開きます。
- XenCenter の左側のナビゲーション パネルで、everRun MX システムのエントリを見つけて展開します。エクスポートする VM をクリックして、[Start (起動)] をクリックします。
- [Console (コンソール)] タブをクリックして VM のコンソールを開き、Windows ゲスト オペレーティング システムにログオンします。
- 「Windows ドライブのラベルを管理する」を参照して、すべてのボリュームのラベルが正しいことを確認します。
- Windows システム準備ツール (Sysprep) を実行してゲスト オペレーティング システムを再展開用に準備します。
- 次の手順に従って Windows ゲスト オペレーティング システムに VirtIO ドライバと XenConvert ユーティリティをインストールします。
VirtIO.exe ドライバ インストール ユーティリティを、[Downloads (ダウンロード)] ページ (https://www.stratus.com/services-support/downloads/?tab=everrun) の [Drivers and Tools (ドライバとツール)] セクションからゲスト オペレーティング システムにダウンロードします。このインストール ユーティリティによって、everRun MX システムからのエクスポートに必要な VirtIO ドライバと XenConvert ユーティリティの両方がインストールされます。
- インストール ユーティリティを右クリックして [管理者として実行] をクリックします。
- [OK] をクリックしてソフトウェアをインストールし、コマンド プロンプト ウィンドウで進捗状況を監視します。
Windows にゲスト オペレーティング システムを再起動するプロンプトが表示されたら、[後で再起動する] をクリックします。
注: Windows は、インストール ユーティリティが完了する前に再起動のプロンプトを表示します。以下の手順を完了するまでは VM を再起動しないでください。ドライバのインストールが失敗し、インポートした VM を everRun 7.x システム上でブートできなくなります。- コマンド プロンプト ウィンドウにインストールが完了したというメッセージと、[続行するには、任意のキーを押してください] というプロンプトが表示されるまで待機します。
- コマンド プロンプト ウィンドウをクリックしてアクティブにしてから、任意のキーを押し、コマンド プロンプト ウィンドウと WinZip ウィンドウが閉じるまで待ちます。
- ゲスト オペレーティング システムを再起動して新しいドライバを読み込みます。
インポートが正しく完了した後、このトピックの後の説明に従って VirtIO ドライバおよび XenConvert ユーティリティをアンインストールすることもできます。
everRun MX システムから VM およびブート ボリュームをエクスポートするには
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everRun MX システム上の Windows ゲスト オペレーティング システムで、VM のエクスポート先となるネットワーク共有をマッピングします。たとえば、everRun 可用性コンソールを実行する管理 PC 上のネットワーク共有にアクセスできます。
- ソース VM で Citrix XenConvert を起動します。
- [From: This machine (エクスポート元: このマシン)] が選択されていることを確認します。
- [To: Open Virtualization Format (OVF) Package (エクスポート先: Open Virtualization Format (OVF) パッケージ)] を選択します。[次へ] をクリックします。
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[(Boot) (ブート)] ボリュームのみをエクスポートするよう選択します。その他のボリュームは選択を解除する必要があります。これには [Source Volume (ソース ボリューム)] プルダウン メニューをクリックして [None (なし)] を選択します。 このページの上記以外の設定は変更しないでください。[次へ] をクリックします。
注: ボリュームは 1 度に 1 つずつエクスポートします。そうでない場合はエクスポートが失敗します。追加のボリュームをエクスポートする手順については次を参照してください。 - [Please choose a folder to store the Open Virtualization (OVF) package (OVF パッケージを保存するフォルダの選択)] テキスト領域にパスを指定します。[Browse (参照)] をクリックして、エクスポート用にマウントしたネットワーク共有上の新しい空のフォルダを選択します。
- 次の XenConvert オプションが無効になっていることを確認してください。これらはサポートされていないため、正常なインポートの妨げになる可能性があります。
- Include a EULA in the OVF package (OVF パッケージに EULA を含む)
- Create Open Virtual Appliance (OVA) (Open Virtual Appliance (OVA) の作成)
- Compress Open Virtual Appliance (OVA) (Open Virtual Appliance (OVA) の圧縮)
- Encrypt (暗号化)
- Sign with Certificate (証明書に署名)
- [次へ] をクリックします。
- オプションでターゲットの OVF ファイルの名前を変更できます。[次へ] をクリックします。
- [Convert (変換)] をクリックします。
everRun MX システムで VM からの追加のボリュームを 1 つずつエクスポートするには
- ソース VM で Citrix XenConvert を再起動します。
- [From: This machine (エクスポート元: このマシン)] が選択されていることを確認します。
- [To: XenServer Virtual Hard Disk (VHD) (エクスポート先: XenServer Virtual Hard Disk (VHD))] を選択します。[次へ] をクリックします。
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1 つのボリュームのみをエクスポートするよう選択します。その他のボリュームは選択を解除する必要があります。これには [Source Volume (ソース ボリューム)] プルダウン メニューをクリックして [None (なし)] を選択します。
このページの上記以外の設定は変更しないでください。[Next (次へ)] をクリックします。
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[Please choose a folder to store the Open Virtualization (OVF) package (OVF パッケージを保存するフォルダの選択)] テキスト領域にパスを指定します。[Browse (参照)] をクリックして、エクスポート用にマウントしたネットワーク共有上の新しい空のフォルダを選択します。[次へ] をクリックします。
注: XenConvert にはVHD ファイル名を指定するオプションがないため、ファイルが上書きされないように各 VHD エクスポートは最初から異なるフォルダに保存してください。 - [Convert (変換)] をクリックします。VHD ファイルと PVP ファイルが作成されます。
- VHD をエクスポートした後、新しい VHD に新しい一意の名前を付けてファイル名を変更し、OVF および VHD のブート ボリュームを保存したフォルダに移動します。PVP ファイルは使用しません。
- 追加するボリュームそれぞれについてこの手順を繰り返します。
everRun 7.x システムに VM をインポートすると、エクスポート ファイルから、VM の構成および選択した関連ボリュームがインポートされます。
- 選択した OVF ファイル(ブート ボリューム) および関連するすべての VHD ファイル (追加のボリューム) は同じディレクトリに保存されている必要があります。また、そのディレクトリにその他の VHD ファイルがあってはいけません。
- インポート プロセスが正しく機能するためには、everRun 7.x システムの両方の PM がオンラインになっている必要があります。
everRun 7.x システムに VM をインポートするには
- 該当する場合、管理 PC を使用して、エクスポートされた OVF および VHD ファイルを含むネットワーク共有をマッピングします。
- everRun 可用性コンソールを使用して everRun 7.x システムにログオンします。
- [物理マシン] ページ (「[物理マシン] ページ」を参照) で、両方の PM が「実行中」の状態にあり、どちらの PM もメンテナンス モードではなく、同期の実行中でもないことを確認します。
- [仮想マシン] ページ (「[仮想マシン] ページ」を参照) で、[インポート/リストア] をクリックしてインポート ウィザードを開きます。
- [参照] をクリックします。ファイル ブラウザで管理 PC からインポートする .ovf ファイルを選択し、[インポート] をクリックします。
- [インポート] をクリックして、一意のハードウェア ID が設定された VM の新しいインスタンスを作成します。
- プロンプトが表示されたら、[参照] をクリックして、VM に関連付けられている各ボリュームについて含める .vhd ファイルを選択します。
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次の情報を確認し、必要に応じて編集します。
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名前、CPU、メモリ
仮想マシンの名前の変更、vCPU の数の編集、または使用可能な合計メモリの割り当てを実行できます。
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ストレージ
すべてのボリュームが表示されます。everRun 7.x システム上のボリュームにストレージ コンテナを割り当てるには、ボリュームの [作成] ボックスを選択します (ブート ボリュームは必須です)。OVF ファイルからボリュームのデータをインポートするには、[データの復元] ボックスを選択します。
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ネットワーク
利用可能なすべてのネットワークが表示されます。既存のネットワークを削除したり、まだ割り当てられていない新しいネットワークを追加することも可能です。少なくとも 1 つのネットワークが必要です。
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- オプションで、VM を everRun 7.x システムで最初に起動する前に VM の再プロビジョニングが必要な場合、[インポート後に仮想マシンを自動的に起動] チェック ボックスをオフにすることもできます。
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[インポート] をクリックして、VM のインポートを開始します。転送が完了したら [完了] をクリックしてインポート ウィザードを閉じます。
注: インポートの処理中、everRun 可用性コンソールの [ボリューム] ページにインポートされたボリュームが順次表示されます。インポート ウィンドウに処理が完了したことが示されるまで、インポートされたボリュームを接続したり削除しないでください。そうでない場合、インポートは失敗します。 -
該当する場合は仮想マシンの再プロビジョニング ウィザードを使用して VM に追加のリソースを割り当てます。「仮想マシンのリソースを再プロビジョニングする」を参照してください。
VM の再プロビジョニングが完了したら、[起動] をクリックして VM をブートします。
- [コンソール] をクリックして VM のコンソールを開き、ゲスト オペレーティング システムにログオンします。
- VirtIO ドライバをサポートされる最新のバージョンに更新します。手順については、「VirtIO ドライバを更新する (Windows ベースの VM)」を参照してください。
- 必要に応じてゲスト オペレーティング システムのネットワーク設定を更新します。
新しい VM が正しく機能することを確認できたら、インポート プロセスは完了します。ただし everRun 7.x システムは、高可用性 (HA) または フォールト トレラント (FT) 運用モードを有効にするため、PM 間のデータの同期を続行します。
オプションで everRun MX システムのソース VM から VirtIO ドライバをアンインストールするには (Windows ベースの VM のみ)
新しい VM を everRun 7.x システムに正しくインポートした後、VirtIO ドライバと XenConvert ユーティリティを everRun MX システム上にある Windows ベースのソース VM からアンインストールできます。ただし、このソフトウェアは VM の操作や継続運用に干渉しないので、ソフトウェアのアンインストールは必須ではありません。
- Windows ベースのソース VM のコンソールで、VirtIO.exe インストール ユーティリティを見つけます。(VirtIO ドライバがある場合、この同じユーティリティを使用してアンインストールします。)
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インストール ユーティリティを右クリックして [管理者として実行] をクリックします。
- [OK] をクリックして VirtIO ドライバをアンインストールし、コマンド プロンプト セッションで進捗状況を監視します。
- プロンプトが表示されたら、任意のキーを押してユーティリティを閉じます。再起動する必要はありません。
エクスポート プロセスやインポート プロセスで発生した問題を解決するには、必要に応じて以下の情報を参照してください。
everRun MX システムからのエクスポートをキャンセルしたり、エクスポートが失敗した後でクリーンアップするには
Windows ゲスト オペレーティング システムで XenConvert からのログ ファイル情報を保存してから、ユーティリティを閉じることを検討してください。ネットワーク共有上のエクスポート フォルダからすべてのファイルを削除するか、その後で行うエクスポート用に新しいフォルダを作成します。新しく行う各エクスポートごとに空のフォルダを選択する必要があります。
everRun 7.x システム上でインポートをキャンセルしたり、インポートが失敗した後でクリーンアップするには
everRun 可用性コンソールで、インポートした VM およびその関連ボリュームをすべて削除します。
everRun MX システムからのエクスポートの失敗から復旧するには
1 度に複数のボリュームをエクスポートしようとすると、そのエクスポートは失敗します。XenConvert を再び実行してエクスポートするボリュームを 1 つだけ選択し、他のボリュームはすべて選択解除してください。また、実行する各エクスポートごとに空のフォルダを選択する必要があります。
everRun 7.x システムへのインポートの失敗から復旧するには
Windows ベースの VM に VirtIO ドライバがない場合、インポートした VM はクラッシュします。XenConvert のエクスポートをもう一度実行する前に、everRun MX システム上の VM に必ず VirtIO ドライバをインストールしてください。
everRun 7.x システムの VM で見つからないデータ ボリュームを復旧するには
インポートの完了後に everRun 7.x システムの VM にデータ ボリュームが表示されない場合、次の手順に従ってこれらのボリュームを手作業で復元できます。
- VM をシャットダウンして仮想マシンの再プロビジョニング ウィザードを実行し、[ボリューム] ページで正しいボリュームを含めます。
- ディスク管理を使用してデータ ボリュームをオンラインにします。
everRun 7.x システムの VM で見つからないネットワーク デバイスを復旧するには
VM をシャットダウンして仮想マシンの再プロビジョニング ウィザードを実行し、[ネットワーク] ページで正しいネットワークを含めます。